小兵のものづくり|美濃焼で生活に彩りを|㈱カネコ小兵製陶所 小兵のものづくり|美濃焼で生活に彩りを|㈱カネコ小兵製陶所

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私たちは
やきものづくりを通して
暮らしの中の
「小さな」しあわせを
届ける窯元です

スタッフ集合写真

やきものは伝統工芸という言葉でくくられがちですが、
私たちは「伝統+創造」だと考えています。

カネコ小兵は、美濃焼1300年の歴史や伝統に敬意を払いつつも、
業界の常識や前例には縛られません。

伝統的な技法やうつわの形を全く変えないのではなく、
時代ごとに求められるものを汲み取り、さらに深化させていく。

目指すのは「不易流行」です。

この地域の資源を最大限活用して未来へ続くやきものを作り、
多くの方々に「小さな」しあわせを提供できるよう、努力いたします。

小兵のものづくり

ひとつひとつ職人の手でつくられる小兵のうつわ。
手仕事ならではの表情を大切にし

「小さな幸せ」を感じてもらえるようなやきものづくりを目指しています。

開発力

時代に合わせた器作り

時代に合わせた器作り

小兵は神仏具から徳利、食器全般へと、時代とともに主力商品を変えながら開発を進め、その中でぎやまん陶、リンカ、備前風・粉引風などヒットシリーズを生み出してきました。
感性を磨き、消費者が何を求めているかを常に意識し、新しいライフスタイルに合わせたデザイン開発、絶え間ない技術開発に取り組んでいます。

私たちが目指すのは、世界に誇れる製品です。ぎやまん陶開発で、「漆の溜塗のような磁器をつくりたい」と思ったように、日本人の美意識と、現代の生活に合う美しさを追求していきたい。

職人と一緒に、まだ世界のどこにもない新しいやきもの、他には真似できないやきもの、職人の技術を存分に生かしたやきものを作り上げていきます。

日常使いを前提とした食器

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日常使いを前提とした食器

カネコ小兵の食器は、

  • 奇をてらわず飽きのこないデザイン
  • 安心感のあるかたち
  • 「日常使い」を前提とした使いやすさ を大切にしています。

実際にダイニングやキッチンで使ってみて出た案をもとに、形状や機能性、釉薬などをブラッシュアップしています。

日常使いの
アイデア商品例

サクッとプレート

焼いたトーストが湯気で湿らないよう、お皿の表面に波々の溝をつけました。

卵ホルダー

卵かけご飯やすき焼き用の生卵を食卓で安全に楽しくおける6個入卵パック形の器です。

お重ボックス

主婦の声に応えた保存容器です。スタッキングできて収納性も使い勝手も抜群。

技術と素材

焼き

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焼き

小兵の器は、1,300度以上の高温で、丸一日かけて焼いています。その日の気温や湿度など、ちょっとした変化で色が変わってしまうので、窯の温度や焼成時間は微調整が必要です。
特にぎやまん陶は、温度を上げるタイミングが早すぎると不良が多くなったり、ゆっくりしすぎるとうまく色が出なかったり。1,000度から1,200度の焼成は集中力のいる作業です。

窯の色見穴を覗いて温度を判断していた時代からの経験と、何度も何度も試作をする根気で、繊細な温度調整ができるようになりました。

釉薬

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釉薬

うつわの表情を決める釉薬は、小兵にとっての生命線。
ぎやまん陶のガラスのような光沢、リンカの手作りっぽい風合い、土物マットのほっこり感など、表現したいイメージに合わせて釉薬の開発が必要です。作業場には釉薬開発のための道具がずらりと並びます。

どんな濃度の釉薬を、どれくらいのスピードでかけるか、どのくらいの温度で焼くかなど、細かい違いで仕上がりは変わってしまいますので、職人の技術が必要です。

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土岐市周辺の山から採掘した土は、不純物を取り除き、X線検査によって種類ごとに分類されます。
やきものには、その中から並土と白磁を使います。

可塑性(粘り気)と耐熱性の両方を兼ね備えた粘土が採れる土地は、世界中でもごくわずか。
この良質な粘土が、複雑な形状での成形や焼成を実現しています。

各分野の
プロフェッショナル
と協力した商品開発

美濃焼は、各工程のプロフェッショナルがおり
ひとつの商品を作るのに様々な職人さんが関わります。

カネコ小兵だけでは型も釉薬も作れませんが、
それぞれの職人さんと繋がり、形にするイメージを共有しあうことで
多様な商品を開発できるのです。

型屋

新商品開発で、まず考えるのが形です。
イメージを型屋さんに伝え、焼成後の収縮を計算しながら、石膏や土を彫って「原型」を作ってもらいます。原型を元に、見本型、量産する型を作るための型(ケース)、最後に量産型を製作します。
特に原型はミリ単位の作業で、妥協できない工程です。

陶土屋

山で採掘した土から粘土を取り出し、原料を混ぜて製土を作ります。土の質が一定であることは、やきものの仕上がりを左右するもの。同じ鉱山の土でも、地層ごとに鉱物の割合が異なるため、状態を正確に見極め、最適な調合を行うことが求められます。
陶土屋さんのブレンドによって、私たちは安定した品質の土を使えているのです。

鋳込み屋

陶土屋さんの製土に水と珪藻を混ぜて泥を作り、型屋さんの量産型を使って成形します。動力成形、圧力鋳込成形、流し込み成形など、成形によって泥のタイプが違うので、泥つくりが重要なポイントです。

釉薬屋

焼成温度を見ながら、イメージする色や風合いを出せるよう釉薬を調合します。一つの釉薬開発には半年から、長ければ3年以上かかることも。特にぎやまん陶の釉薬は、周りから「諦めたほうがいいよ」と言われた時もありました。
技術と熱意のある釉薬屋さんが寄り添って協力してくれている点がカネコ小兵の強みの一つです。

品質

徹底した品質管理意識

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徹底した品質管理意識

釉薬の剥げ、塗りムラ、細かい粒など、基準に満たない不良品は原因を追求し、オンタイムで生産工程の見直しや社内外での情報共有など対策をいたします。
各工程には標準作業マニュアルを作成し、基準を満たす高品質な商品、作業の効率化を図っています。

検品基準の一例
  • 鉄粉:白や透明釉の表面に土の中に含まれる鉄分がホクロのように出ているもの
  • ピンホール:土の中の気泡が表面に出て、針の穴くらいのくぼみができた状態
  • 色ムラ:釉薬の偏りによる色の濃淡

工場は清潔に、無駄を省き、生産性向上へ

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工場は清潔に、無駄を省き、生産性向上へ

カネコ小兵は、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)に基づき、作業者が随時行う清掃活動を通じて綺麗な工場を保っています。
会社全体でカイゼン活動を行い、無駄を省く活動を通して生産性も向上しました。
社員の発案したアイデアもすぐにできるものは実行して、改善効果の大きいものは表彰するなど、効率化に取り組んでいます。

製作の流れ

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成形

動力鋳込み・圧力鋳込み・流し込み鋳込みなど、製品に合わせた方法で成形します。

素焼き

生地を約800度で5時間焼成し、水分や不純物を飛ばして釉薬が馴染みやすくします。

裏印

小兵の製品である証として、パット印刷機でブランドマークの版を押します。

絵付け

筆による加飾で、釉薬だけでは表現できない深みと味を出します。

施釉

釉薬が均一になるよう注意しながら施釉します。

ハマ剥がし

釉薬が溶けて焼成時の棚板にくっつかないよう、テーブル接地面の釉薬を剥がします。

棚差し

隙間を空けすぎず、詰めすぎず、棚板に載せて製品を窯に入れていきます。

本焼成

1,300度で12~13時間焼成します。途中、還元状態にすることで強度を高めます。

窯おこし

棚板を1段ずつ外して、製品を窯から出します。